住宅の防火・耐火性能の基礎知識

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東日本大震災後は災害というと、「地震」を想起しやすいのですが、「火災」も忘れてはいけない、怖い災害です。地震とは違い、火災は人為的な努力で発生を抑制させることができますが、いくら自分が注意していても「もらい火」による延焼の可能性は否定できません。

ここでは、「住宅の防火・耐火性能の基礎知識」と題して、住まいと火災についての理解が深まる説明をしたいと思います。

意外! 木造は案外火に強い

一般的に木造は火災には弱いと思われていますが、実は意外に火に強いのです。そのロジックを説明しましょう。
木の燃焼というのは、まずは表面が燃え炭化していきます。その炭化した表面部分が断熱効果を発揮し、その木の奥・内部にまで燃焼していくのを遅らせる効果があるからなのです。

よって、同じ木造住宅でも、使用する木、すなわち柱の太さで、火災の際の強度が異なります。太い柱でできた家の方が燃えにくいため、火災に強い家であるということが言えるのです。

「もらい火」に迎え撃つ手はないのか?

冒頭で触れた通り、自分がいくら注意しても隣家などの火災による「もらい火」で火事が起こってしまうことがあります。仮に隣家に火災が発生した場合、その炎はあなたの住まいの、軒裏、屋根、外壁を襲います。実際の火元の住宅(木造)の燃焼温度は1200℃にも上昇しているため、3m離れた隣家が受ける温度は840℃にもなると実験報告がされています。しかたがって、隣家との距離の確保も重要なポイントであると言えそうです。

また、木材の着火する温度は260℃と言われています。最近の住宅建材の進化にともない、防火性に配慮した外装材で家全体を覆い、隣家からの延焼を防ぐという手法も一般化してきています。このような火に包まれても燃えにくい外壁は、木材の発火点である260℃以上で加熱されても類焼のリスクを軽減する役割を果たすのです。

防火構造とはなんだ?

建築基準法において、建築物の周囲で発生した火災による延焼を抑制するため、一定の防火性能を有する構造のことを「防火構造」といいます。
具体的な延焼抑制のための構造は、外壁又は軒裏に必要とされる防火性能を有する鉄網モルタル塗、しっくい塗等の構造のことを指し、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。
こういったスペックを各ハウスメーカーや工務店はオプション仕様として取り揃えている場合が多いため、予算と相談をして検討することは大変有意義です。

何よりも、火災を防ぐには一人一人の注意が大切です。その延長上で、自分の命は、自分で守るために住宅の防火対策についてより理解を広げてみてはいかがでしょうか?